作曲家別無料楽譜・ショパン Frederic Chopin 3

即興曲(アンプロンプチュ) Impromptu

ショパンは4曲の即興曲を書いていますが、すべてが異なる時期に書かれており、曲集としての一貫性はありません。「即興曲」と言っても即興的に作られたものではなく、また、即興演奏を書き残したものでもありません。しっかりと構成がなされており、雰囲気的に即興で作ったような感じという意味程度に理解しておいた方が良いですね。ショパンの即興曲といえば「幻想即興曲」が代表作ですが、ショパン自身は世間に公表したくなかったらしく、「自分の死後、この楽譜を燃やして処分して欲しい」とまで言ったそうですが、友人であるユリアン・フォンタナが、ショパンの死後この作品に手を加え、勝手に「幻想即興曲」と題して出版してしまったという逸話があります。

§即興曲(アンプロンプチュ)第1番 変イ長調 作品29§ Impromptu Op.29
無料楽譜(IMSLP)

§即興曲(アンプロンプチュ)第2番 嬰ヘ長調 作品36§ Impromptu Op.36
無料楽譜(IMSLP)

§即興曲(アンプロンプチュ)第3番 変ト長調 作品51§ Impromptu Op.51
無料楽譜(IMSLP)

§幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66§ Fantaisie-Impromptu Op.66
無料楽譜1(IMSLP)
無料楽譜2(IMSLP)
無料楽譜(Leopold Godowsky 改訂版)(IMSLP)

葬送行進曲 作品72-2 Funeral March Op.72-2

悪友?のフォンタナ絡みで深く関係した曲をもう一つ。これもショパンの死後にフォンタナの手により出版された曲です。この曲は、吹奏楽への編曲を視野に入れていたらしく単純さが目立つのですが、それが逆に雄大さを生み出しているともいえるでしょう。

この葬送行進曲、長らく標準版とされたものは、実はフォンタナの手で改変されたものでありました。主題の旋律がそのままで主部の後楽節で変ホ長調に転調したり、移行部があるのは、フォンタナの編曲によるものと判明しています。そこで、なるべく原曲に近づけようとオックスフォード版やエキエル版というものが出てきたのですが、どちらもパンチ力に欠け、結局フォンタナ版に落ち着いているようです。ここでもフォンタナ版の無料楽譜を紹介しておきます。ちなみに、ショパンの作品で他に葬送行進曲と名付けられたものには、ピアノソナタ第2番にあります。こちらは冒頭の旋律があまりにも有名で、必ず一度は耳にしたことがあるはずです。

§葬送行進曲 作品72-2§ Funeral March Op.72-2
無料楽譜1(IMSLP)
無料楽譜2(IMSLP)




inserted by FC2 system