ショパンは、意外と少なく3つのピアノソナタしか書いていません。しかも第1番は、ソナタ形式の習得のため師匠からの指示によって書かれた習作のため、現在ではほとんど演奏される機会はなく、実質的には2曲しかないと言ってもよいでしょう。「ショパンがソナタ形式を習得できなかったのではなく、ソナタ形式がショパンを征服できなかった」といわれるように、ソナタ形式というものが、ショパンにとっては魅力的に映らなかったのかもしれません。ピアノソナタ第2番には、超有名な、誰もが一度は耳にしたことがある「葬送行進曲」が入っています。第2番が「ショパンは乱暴な4人の子供をソナタの名で無理やりくくりつけた」と、シューマンに標されたように古典的なソナタの構成感が薄いのに対し、ピアノソナタ第3番は、古典的な形式美を意識した堂々たる大曲になっています。
§ピアノソナタ 第1番 ハ短調 作品4§ Piano Sonata No.1 Op.4
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§ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 作品35 「葬送ソナタ」§ Piano Sonata No.2 Op.35
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§ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58§ Piano Sonata No.3 Op.58
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