作曲家別無料楽譜・サティ Erik Satie 4

犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲(プレリュード)

エリック・サティは、1912年に「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」を作曲し、楽譜出版のデュラン社に売り込みに行ったのですが、出版を断られました。そこで同年「犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲」を作曲し再度売り込みに行き、こちらは無事に出版されることになりました。エリック・サティらしい奇抜なタイトルですが、これは題名だけで曲の判断しようとする人を強烈に皮肉ったものであり、曲自体はバロック音楽のパロディーですが、しっかりとした構成の無駄が省かれた清々しい作品となっています。

§犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲(プレリュード)§
3 Veritables Preludes Flasques (pour un chien)
無料楽譜(IMSLP)

ひかからびた胎児(胎児の干物) Embryons desseches

エリック・サティらしい奇抜なタイトルですね。奇抜なのはタイトルだけではなく、楽譜に書かれている注釈も奇抜ですし、楽譜自体も小節線がなく、更に終止線までありません。第2曲「甲殻類の胎児」は、ショパンの「葬送ソナタ」のパロディなのですが、楽譜上には「シューベルトの有名なマズルカから」と書かれています。ちなみにシューベルトはマズルカ自体1曲も書いていません。サティがこんな思い間違いをするはずもなく、それでなくても出版の段階でチェックされるはずですので何らかの意図があったと思われますが、そこの答えは謎のままです。

§ひかからびた胎児(胎児の干物)§ Embryons desseches
無料楽譜(IMSLP)




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