ピアノソナタ ロ短調は、リストが作曲した中でも最高傑作のひとつといわれる唯一のピアノソナタです。ロマン派を代表する重要なピアノ曲のひとつでもあります。1853年に作曲され、ロベルト・シューマンに献呈されました。
この作品が発表された当時、この曲があまりにも独創的で革新的なものであったため、意見は賛否に真っ二つに分かれ長い間激論の中にありました。歴史上この曲ほど論争を巻き起こした曲はないとさえ言われます。
シューマンの妻でピアニストのクララ・シューマンは、自分の日記に「ただ目的もない騒音にすぎない。健全な着想などどこにも見られないし、すべてが混乱していて明確な和声進行はひとつとして見出せない。そうはいっても、彼にその作品のお礼を言わないわけにはいかない。それはまったく大儀なことだ。」と苛立ちの気持ちを書き残しています。
現在ではロマン派史上最も重要なピアノ曲とまで呼ばれるようになったため、ピアニストにとって必修科目といえるほど演奏者人口が増え、リストの作品の中でもとりわけ録音数が多いようです。演奏時間は約３０分。範囲でいうと２５〜４０分と、演奏者によって演奏時間がかなり異なります。§ピアノ・ソナタ ロ短調§ Piano Sonata in B minor S.178
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