ドビュッシーが印象主義的な技法を確立した作品として知られています。ドビュッシーはこの曲が大層お気に入りだったようで、完成した後に書いた手紙に、「曲名がとても気に入っている」と記しています。ただし、当時の和声概論にとらわれない作曲法には、専門家から少なからず批判がありました。
全体は三曲から構成されていて、それぞれ「オリエント」「スペイン」「フランス」を題材にしていますが、実際には東洋にもスペインにも行ったことがないため、「想像で埋め合わせをした」と彼自身が述べています。
1890年代半ばごろから作曲に着手し1903年に完成。翌年初演されました。しばらく、歌劇「ペレアスとメリザンド」の作曲・公演に力を注いだため、久しぶりのピアノ作品だったようです。この曲はジャック・エミール・ブランシュに献呈されました。
1:塔 "Pagodes"
2:グラナダの夕べ "La soiree dans Grenade"
3:雨の庭 "Jardins sous la pluie"§版画§ Estampes
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