モーツァルトとともに超有名な「トルコ行進曲」。元々はこの変奏曲のために創作された主題が、後に劇音楽「アテネの廃墟」の第４曲目「トルコ行進曲」に転用されました。ご存知のように、トルコ軍楽風の力強いリズムにのっかって進む音楽ですが、それが重厚な和音を伴ったり、逆に旋律を重視したりと、トルコ行進曲が変わった趣になっていくのが大変面白い作品となっています。
§劇音楽「アテネの廃墟」からトルコ行進曲による６つの変奏曲(ヴァリエーション) 作品７６§
6 Variations on an Original Theme Op.76
無料楽譜１(IMSLP)
無料楽譜２(IMSLP)
“「プロメテウスの創造物」の主題による１５の変奏曲(ヴァリエーション)とフーガ”という長い題名が付けられていますが、単に「プロメテウス変奏曲」と言われたりします。また、この主題は、交響曲第３番「英雄」の最終楽章にも使用されているため、「エロイカ変奏曲」とも言われます。更にベートーヴェンは、「オーケストラのための１２のコントルダンス」にもこの主題を使っています。計４曲に同じ主題を使っているのですから、とてもお気に入りだったみたいですね。
ベートーヴェン自身が「この作品は、ピアノ変奏曲作品３４と共に本当に全く新しい手法を用いている」と表明したように、通常の変奏曲の形式とは違い、主題と１５の変奏を挟み込むように導入変奏とフーガとフィナーレが配置されています。また、上声の旋律とバス旋律がそれぞれ独立した要素として扱われている点も面白いです。
ベートーヴェンが作曲した数多くの変奏曲の中で、名作中の名作と言っても良いのではないでしょうか。§「プロメテウスの創造物」の主題による１５の変奏曲(ヴァリエーション)とフーガ 作品３５ ※エロイカ変奏曲§
15 Variations with Fugue on a Theme from the Ballet "Die Geschopfe des Prometheus" (Eroica-Variations) Op.35
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無料楽譜３(※自筆譜)(IMSLP)